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それは本当に謎マナーなのか?

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去年だったか「注ぎ口のついた徳利から酒を注ぐ時は、注ぎ口から注ぐのはマナー違反」なる誰も聞いたことが無いようなマナーがネットを駆け巡り「マナー講師が自分たちの仕事のために謎マナーを増やしている」みたいな論調になったことがある。確かに、この徳利の話はそう思う。だが、意味があるマナーに対しても謎マナーと切り捨てる傾向が見て取れる。

ネットの掲示板なら「非常識な奴らが増えたなあ」と思うが、それがYahooニュースにまでなると「編集さん、掲載前にチェックしなよ」と心配になってします。

たとえばこれ、

ネット上に「マナーポリス」が横行するわけ

Yahooニュース(掲載元は東洋経済ONLINE)

この中で「それ謎マナーじゃないから」とツッコミ入れたのは以下の文。

こうした「古くからの伝統系ルール」に加えて、「エレベーターで話してはならない」とか、「飲み会に誘ってはならない」とか、「男性上司は女性の部下と2人きりで食事に行ってはならない」といった「新ルール」も次々と登場し、もうがんじがらめなのである。

これ新ルールでもなんでもなく、昔から言われていたこと。ひとつずつ見ていこうか。

  • エレベーターで話してはならない

情報漏洩を防ぐため、および無用な軋轢を防ぐため。ビジネスルールなので休みの日の観光地のデパートのエレベータの中のような状況ではなく、オフィスビルのエレベータで、他の人も乗り合わせているような場合である。オフィスビルには様々な会社が入っていて誰が乗り合わせているかわからない。Aという会社の人たちがBという会社の誰に会いに行く、というのも場合によっては漏洩してはならない情報だったりするが、ちょっと会話しただけで、エレベータに乗り合わせた人が何らかの情報をキャッチするかもしれない(例えば東京ミッドダウンのエレベータでの会話で、マイクロソフトとおぼしき人たちがヤフーのだれに会おうとしている、なんて会話が聞こえてきたら、どう思うだろう?)。

あるいは雑談ならよい? 例えばプロ野球の話で阪神の負けっぷりを馬鹿にしてたら、乗り合わせた中に、これから訪問する会社のお偉いさん(トラキチ)がいて、その雑談が命取りになるとか。(こういうこと書くと「そんな会社とは付き合わないほうがいい」と反応する人がいるんだが、これはもののたとえ。ちょっとした雑談が訪問先の人間の気分を害する、場合によっては絶対に許せない、と思われてしまうことなんていくらでもあるよ。本人は軽い冗談のつもりで、とんでもない差別発言をしていたとか、身内の人間の病気を揶揄していたとか)

そんなわけで、だれが聞いているかわからないエレベータでは話をしないというのはかなり重要なルールなんである。そしたらヤフコメでは「じゃ、どこでも話できないだろ」みたいなことも書かれてたが、実際のところ、そう。電車の中とか、混雑している喫茶店とか、だれが聞いているかわからないところでは話に注意するのが鉄則。訪問する前に移動しながら打ち合わせしたいなら車を使えってこと。さすがにタクシーの運転手なら聞かれても大丈夫だろう。

  • 飲み会に誘ってはならない

これはまあ新ルールだろうね。パワハラと訴えられかねないから。これについてはそんなに一般的ではない。

  • 男性上司は女性の部下と2人きりで食事に行ってはならない

セクハラ対策。男性上司にそんなつもりはなくても、そして女性部下にそんなつもりがなくても、2人きりで食事に行ったことが噂になった場合、例えば査定で贔屓しているとか、周りからあらぬ疑いをかけられる。

とまあ、この記事に対してつっこんでみた。

ネットの掲示板にツッこむのはどうかと思うが気になることがあったので、

【就活】内定辞退の正しい伝え方「直接会って、まず感謝」記事がやりすぎだと話題に

ハムスター速報

内定辞退の際に「メールの送りっぱなしや電話で完結してはダメ。必ずその企業に足を運ぶことが重要」というマナーに対してやりすぎだという。

たしかにやりすぎ。だが、そのとらえ方がどうにもアンチ企業すぎるのだ。

企業側からの視点として「忙しいんだから、内定辞退を聞くために時間を割かせられるのは迷惑。せめて相手の都合を聞いてからにしろ」というものがあり、私もこれに近い。とうより、これは「マナー」ではなく「内定辞退」に対して相手に迷惑をかけてしまったのだから誠心誠意お詫びする、ということが必要なのであって、杓子定規に会いに行く(相手の時間を奪う)というのは間違い。

ところがアンチ企業コメは全く視点が違う。ある程度ピックアップすると(一部要約)

  • もう関わることねーんだから気にすんな!w
  • 不採用の時はご縁が無かっただの今後のご活躍をお祈り致しますだのと無礼極まりない態度をとってくるのに何で逆の立場の時はへりくだらなければならないのか説明してくれ。

そりゃ不採用の場合には通知一本でしょうよ。でも内定(たぶん、ここでの話は内々定。「内定」の場合は書類のやり取りになる)でたら、それは社会人として契約に準じる扱いになるわけで、そこには責任が生じる。誠意を持って伝えることは重要なんですよ。そして「もう関わることはない」ってことはおそらくない。

今の就活事情をよく知らないのだが、就職に当たって業界は絞り込んだりしないんだろうか? 大企業ならなんでもいいと、銀行、商社、IT業界、メーカーと、なんでもありなの? たぶん、ある程度業界絞ってるよね。内定辞退した会社と、第一志望の会社って業界が全然別ってことどれくらいあるんだろ? あるかもしれないか。それでもさ、まず内定辞退した会社と第一志望で内定もらっていくことになった会社が同じ業界の場合、人事部同士が業界団体の交流会で情報交換してるってこと普通にあるんだよ(これは最初に就職した会社で聞いた)。異業種であっても最近はデジタルと無縁の会社なんて無い。デジタル技術を介して、業務提携を行うこともあるし、ごくごくふつうに取引関係ってこともある。あとは非常にまれなケースではあるが(しかも新卒ではなく転職の話)、ケンカ別れのように会社をやめて、別の会社に入ったら、数年してその会社どおしが合併したなんてケースも。どこでどうつながってるかわからないから、丁寧な対応が必要ってことです。

「不採用の時はご縁が無かっただの今後のご活躍をお祈り致しますだのと無礼極まりない態度をとってくるのに何で逆の立場の時はへりくだらなければならないのか説明してくれ。」

こっちのほうにもきちんと反論しておこう。これ就活生VS企業って対立関係で考えてるけどそれがそもそも間違い。たとえばAさんは、Bという会社の人事担当にひどい扱いを受けた。その後Cという会社から内定を受けた。そしてDという会社から内定をもらったので、Cの内定を辞退した。この場合に、AさんがBを恨むのはわかるが、Cを恨む理由はない。CもDも内定を出してAさんを行化してくれた企業だ。Bから受けた仕打ちをCに返すというのは人間として正しい行動かね?

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