1年間待ったこともあり、期待大で観に行ったのだが…いまいち。
多少ネタバレも含むので(犯人は書きません。書いてもあまり意味ないし。でもそれ以上に観に行く気を無くすかもしれないネタバレもあるので観に行く人は、観てからのほうがいいです)ご注意を。
(A) 赤井ファミリー集結なのに組織無関係
これはあらすじ読めば、組織の話は出てこないことはわかるので、それほど期待はずれということもないが、もはや本編が江戸川コナン=工藤新一VS黒の組織というよりも赤井ファミリーVS黒の組織になってきているので、何か組織編につながる話もほしかったなと。
(B) 赤井ファミリー集結の必然性がない
この映画の前の時点で、
- 赤井秀一は、メアリーが幼児化していることを知らない。
- 羽田秀吉は、メアリーが幼児化していることを知らないが、秀一が生きていて、沖矢昴として活動していることを知っている。
- 世良真澄は、メアリーが幼児化していることを知っているが、秀一が生きていることを知らない。
- メアリーが、秀一が生きていることを知らない。
という関係なので、チームとしての行動は、秀一+秀吉、世良+メアリーとなる。秀吉と世良はふだんも連絡を取り合っているが、ここで橋渡し役にはなれない。
劇中で、赤井秀一は沖矢昴の姿でFBIとして行動する。
メアリーはMI6として行動するも幼児化していて表立って動きにくいので世良と行動する。
ターゲットが同じため、赤井(沖矢)と世良+メアリーは若干の交錯はあったものの、特に共闘はなし。世良はメアリーと分かれ、コナンと行動を共にする。
羽田秀吉は仕事で名古屋に行き、そこで宮本由美とデート。家族(世良)に宮本由美を紹介するつもりだったが、ゆみたん泥酔。泥酔しながら交通課府警の習慣で速度超過の赤井(この時点ではすでに変装を解いていた)の車をとめ、そのまま赤井と秀吉が合流、クライマックスでは秀吉が赤井のブレーンとなる。
というわけで、無理やり集結させた感じがありありとしていて「赤井ファミリー集結」の必然性が感じられなかった。これあくまで赤井秀一が主人公という売り文句にしておいて、その実、赤井ファミリーが(生死不明な父・武務を除いて)集結していた、というほうが面白かったかも。(あくまでも期待値の問題です)
(C) 本編ストーリーとの関係
例えば「異次元の狙撃手」では、沖矢昴=赤井秀一ということが(薄々匂わされていたとしても)明確に語られ(沖矢が変声機を使わずに赤井の声でジェームズに電話したというレベルですが)、と同時に赤井が生きていることを知っているジェームズが黒の組織のボスではない、ということが語られた。
ゼロの執行人では、公安のボスとして降谷(安室)に指示を出している黒田管理官がラムではなさそうだ、ということも語られた。
ともに「語られた」と書いたが、「それはそういう意味だよね」ってレベルで匂わされたという意味です。
今回、本編ストーリーとの関係で進展があったのは、
- コナンが、自分の正体が工藤新一であることを世良にバラした。(もちろん直接そう語ったわけではない)
- メアリーが、沖矢昴=赤井秀一であることに感づいた(秀一が生きていることを知った)と同時に、秀一がメアリーの幼児化の事実を知った。
ともにそれほど大きな情報ではない。世良はずっとコナンが工藤新一であると疑ってた、というよりほぼ確信していた。ただ、秀一はメアリーの幼児化について、想像はしていたが、ここでそれが事実と知った、そしてメアリーが秀一が生きていることを知った、ということで組織編に進展あるかもしれない。
(D) 定番のアレがない
個人的に一番残念だったのがこれ。
櫻井武晴脚本では「異次元の狙撃手」で、それまでのマンネリ感を打破してくれたこともあった。「絶海の探偵(プライベート・アイ)」で、自分にとっては劇場版名探偵コナン、観る価値なしとなっていた状態から「絶対観るべき」まで持ち上げてくれた脚本家である。
今回の定番のアレに関しては脚本というより演出の領域かもしれない。
でもね、配信でもなくテレビでもなく、劇場版名探偵コナンの醍醐味はやっぱりアレでしょう!
個人的には、このネタバレがあったら(このコロナ禍のなかということもあり)観に行かなかったかもしれないくらいの内容なので白文字にしておきます。
「クライマックスでのメインテーマが流れない」
…だと思ったんだけどYouTubeではそうでなかったみたいなこと書かれてる。もう一度観に行ってくるか。
2021/4/24追記
やっぱり、「クライマックスでのメインテーマが流れない」は間違ってなかったです。ただ、お決まりの「俺は工藤新一〜」ではじまる人物紹介兼ねたオープニングでメインテーマが流れたので、YouTubeではそのことが書かれていたと思われます。今回のクライマックスは派手だったけど、興奮度は低め…
来年は警察学校編だそうな。観に行くと思うけど、来年もまだコロナ治まってなかったら行かないかも。