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「作品に罪は無い」論に思うこと

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「作品に罪はない」論に思うところがないでもないが、そのこと自体あんまり強い主張を持っているわけではない。が、一般人(非・芸能界)が論ずるならともかく芸能界側の人間の主張としては「村の論理」のように思えるのであまり愉快ではない。「作品に罪は無い」のは当たり前であって、その作品をお金に絡ませる「商品」として扱う際の「営利企業」のポリシーの問題なんだけどな、とそんなことは百も承知で論点をすり替えてるんだろうけど。

さて、物申したいのはこの記事

電気グルーヴ作品の出荷・配信停止に反対 発起人ら会見(全文2)不快感に公共性はない

4/16のYahooニュースに掲載された「THE PAGE」の記事である。とりあえず「作品に罪はない」論については人それぞれの意見で議論深めればいいと思うのでそこには踏み込まない。問題にしたいのは以下のところ、

宮台氏「ソニーは事なかれ主義に堕している」

それはない! と強く反論する。消費者のクレームが面倒だから電気グルーヴのCD他の「商品」を販売停止にしたんじゃないと思うよ。

ポイントは2つ。

その1:ブランドイメージの毀損からの防衛

芸能界村の方々は気がついてないかもしれないが、麻薬(大麻、麻薬、覚醒剤は取り締まる法律が異なるが、話の趣旨として区別する必要もないので、まとめて「麻薬」と呼称する。「ドラッグ」って言葉は印象を軽くしてしまうので使わない)なんぞに縁のない一般ピーポーから見たら、たびたび麻薬で逮捕される芸能人、それも復帰してくる芸能人をみて「芸能界って麻薬まみれなんだろ」って印象がある。もちろん一般人の場合には報道されないだけで、芸能人の麻薬逮捕率は一般人と比べて高いわけではないかもしれない。が、有名人であるがゆえに目立ってしまい、そういう印象がついてまわる。

もしソニーが「作品に罪は無いから」と麻薬で逮捕された所属アーティストの「商品」を販売し続けたらどうなるか? 最近の日本ではモンスタークレーマーの話題も多くなり、何か不祥事があれば電凸したり、SNS他を炎上させたりとクレーマー気質のようにも見えるかもしれないが、日本人の気質は本質的には「サイレント・クレーマー」。商品に問題があれば(正当な)クレーム入れてくれればそれを商品開発やサービス向上に役立てることができるのに、静かに「もう次から買わない」と離れていく。このようなケースでは「麻薬に甘いのは、逮捕されるたびに販売停止にしてたら、売るものがなくなってしまうからだろ」と、他の所属アーティストも「発覚してないだけで麻薬やってるんだろ」という目で見られてしまう。所属アーティストを守るためにも、厳しい対応をするのは至極当然のことと思える。

その2:企業コンプライアンスの問題

どうも昨今の論調みてると「被害者がいるわけじゃなし」と麻薬で逮捕された人間に同情的というか、大した犯罪じゃないかのように扱っているのが気に食わない。精神的に追い詰められて、ついつい手を出してしまったら依存症になってしまった、と同情したくなる気持ちもわからないでもないが、麻薬の類って、大麻栽培とか合法である外国でもらってきたなどの若干の例外を除けば、その売買には暴力団が絡んでるわけで、間接的にもそういった反社会的勢力との付き合いがあることになる。30年間常用してきたということは、あえてきつい言い方をすれば「反社会的勢力の資金源」でもあったということである。「暴力団放置して、付き合いがある方を罰するのっておかしくね?」「買った方より、売った暴力団のほうが悪いだろ」というのは正論だが、それでも大企業であるソニーともなれば麻薬での逮捕=反社会的勢力とのつきあいとして何らかの処分をしなければならない、というのも当然のことである。

と、「事なかれ主義に堕している」なんて甘い話じゃないってことを書いてみた。

以下は蛇足。

この方々、佐村河内守の一件はどう思ってるんだろうか? 「作品に罪は無い」って声あげてないよね? ピエール瀧は犯罪者だけど、佐村河内守は法律を犯したわけではない。ゴーストライターなんて珍しい話でもないし、全聾という設定、大物っぽい風貌と演出過多ではあったが、別に犯罪でもなんでもなかった。謝罪会見だって髪切って髭剃ってサングラス外して、それも含めて「稀代のエンターテイナー」と楽しませてもらったけど。

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