雑文垂れ流しだけどテーマがあるかもしれない

ことりのザレゴト

映画

映画『屍人荘の殺人』がひどかった話

更新日:

もう上映終わってますね。なのでネタバレも含み批判させていただきます。

この映画、私は予告は見なかったのですが、

  • 今村昌弘のデビュー作「屍人荘の殺人」は新人作家としては前代未聞の国内主要ミステリー賞を総なめにし、4冠を達成‼ミステリー界に大事件を巻き起こした。
  • 神木隆之介、浜辺美波、中村倫也がメインに据えられた広告ビジュアル

これらに釣られ、上映二日目の土曜日に観に行ってきました。

ミステリ好きってことはどこかで書いたと思うし、中村倫也が好きなのは西野七瀬ファンとしては『あさひなぐ』での小林先生の演技がとても気にいっていたから。

私にとっては、かなりひどいと思われる映画でした。過去には「デビルマン」という殿堂入りした史上最低映画があるので「最低」ってな評価にはなりません。またひどいといいつつ、Amazon Primeビデオで無料で観られるならもう1回観てみたいなという妙な評価になっています。

なぜかといえば、自分が観たいと思った2つのポイントが完全に裏切られたから。

まず「国内主要ミステリー賞を総なめにし、4冠を達成」というコピー。ミステリファンとしては期待します。ですがゾンビパニックになった時点でミステリもなにもありません。紫湛荘(屍人荘)に逃げ込んだ面々はゾンビと化した人たちを躊躇なくぶち殺してますし。余談ですがもしコロナウィルスによる新型肺炎の流行が1ヶ月早かったら上映は無理だったでしょうね。ウィルス感染した「人間」はぶち殺す、というのがあまりに非人道的ということで。

このゾンビパニック、映画の中では注射を射っている人間がちらっと出てくるだけなので、初見ではただのゾンビものとしか思えませんでした。が、斑目機関というところで、人為的に作られたゾンビウィルスだったということについて、映画では省略されているらしい。ひょっとしたら原作ではミステリとして成立している可能性もありますが、少なくとも映画では「これはミステリではない」と言い切っていいでしょう。主人公たちがゾンビを振り切って紫湛荘に逃げ込むあたりで「これミステリだと思ったんだけどコピー見間違えたかな」と思ったくらいなので。

また被害者どもも、登場早々「こいつらきっと殺されるよな」って雰囲気プンプン。金田一少年の事件簿の似たような事件がいくつか頭に浮かんだ。そして事件が起きる前から、登場人物の明智(中村倫也)が「俺これから起きる事件の犯人わかった」って言ってたから隠す気もなかったというか。

そんなわけで、

  • 犯人=出落ち
  • 被害者=出落ち
  • 動機=過去に似たような作品多々あり
  • 犯罪性=ゾンビになった人を躊躇なくぶち殺してる中で殺意をもってターゲットをゾンビ化させて殺すことが犯罪と言えるのか?

で、唯一ミステリっぽかったところとしては「殺意をもってターゲットをゾンビ化させるトリックとアリバイ作り」なんだが、個人的にはあまり好きなタイプのミステリではない。

もう一つのポイントは小林先生、じゃなくて明智(中村倫也)の出番。ポスター見れば神木隆之介、浜辺美波、中村倫也の3人が主人公のように思える。が、中村倫也の出番は序盤だけ。アクの強いキャラだったので後半に出番があるかと思ってたら、しっかりゾンビ化していてぶち殺されちゃいましたからね。どちらかというとこっちのほうが怒りポイント高いかな。ミステリとはいえないことは序盤の方で割り切ることができたので。

ここまでボロクソに書きながら「Amazon Primeビデオで無料で観られるならもう1回観てみたい」というのは、

  • 浜辺美波の顔芸がなかなかよかった
  • ノーマークだった山田杏奈が浜辺美波以上によかった
  • 神木隆之介の演技が期待通りよかった

から。

うーん、やっぱり微妙な評価か。原作読みたいとも思わないし。

-映画

Copyright© ことりのザレゴト , 2024 All Rights Reserved Powered by STINGER.